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AV8805+MM8077が体現する

マランツのAVアンプのフィロソフィーとは?


 

マランツ サウンドマネージャー 尾形好宣(写真左)
国内営業本部 マーケティング担当 高山健一(写真右)

13.2chプロセッシングに対応したハイエンドAVプリアンプAV8805。
そして200台の完全限定生産で発売される7chパワーアンプMM8077。
新たなAVアンプのフラッグシップが示すマランツのフィロソフィーとは何か。
サウンドマネージャー尾形好宣とマーケティング担当の高山健一に聞きました。




国内ユーザーの熱い要望に応えてMM8077が登場


●2018年12月中旬に7chパワーアンプMM8077が発売されることとなりました。その背景について教えてください。

高山:マランツのハイエンドAVアンプには、ここ10年、プリアンプとパワーアンプのセパレート構成を採用しています。2018年の春には、新型のプリアンプAV8805を発売しました。AV8805は「Dolby Atmos」、「Auro-3D®」、「DTS:X」など先進のイマーシブオーディオを全てサポートした、13.2chプロセッシング対応のハイエンドモデルです。

当初、このAV8805を購入される層のユーザーは、すでにセパレート型をお使いの方が多く、パワーアンプはお手持ちのものを使われるのだろう、と考えていました。しかしながら実際には、サラウンドフォーマットがイマーシブオーディオ化して今までよりもチャンネル数が増大したこと、そしてオーディオ市場で入手可能なマルチチャンネルパワーアンプが減ってきたという背景があり、国内のお客様からのマルチチャンネルパワーアンプを求める声が高まってきました。

そこで日本のユーザーの要望に応えて限定200台ではありますが、以前から海外で発売している7chパワーアンプMM8077を日本でも急遽発売することとなりました。

●MM8077の主な特長はどんな点でしょうか。

尾形:MM8077はセパレートタイプならではの特長として、一体型のAVアンプではまず搭載することができない、マランツのAVアンプ史上最大のトロイダルトランスを装備しています。またカスタムコンデンサーにもMM8077のために開発された大容量のものを搭載しており、特に電源周りに力を入れたパワーアンプとなっています。



↑マランツ サウンドマネージャー尾形好宣

●プリアンプAV8805+パワーアンプMM8077のシステムは、現状ではマランツで最上位のホームシアターシステムとなりますね。

尾形:はい。AV8805と2台のMM8077を組み合わせることで、最大で13chのハイエンドホームシアターシステムが構築できます。


↑試聴室にセットアップされたAV8805+MM8077のシステム。右がAV8805、中央と左がMM8077。


セパレートでなければ出せないサウンドがある



●AVアンプにはいわゆる一体型のものと、プリアンプ+パワーアンプというセパレートタイプのものがあります。一般的には一体型がほとんどですが、あえてセパレートタイプのAVアンプをラインアップしているのはなぜですか。

高山:冒頭でお話したように、マランツのAVアンプのハイエンドモデルはここ10年、ずっとセパレート構成を採ってきました。また、マランツが1994年、最初にAVアンプに参入した時もセパレートタイプでした。その理由は、セパレート構成には音質面において大きな優位性があり、セパレートでなければ出せない音があるからです。それこそがマランツのAVアンプのフィロソフィーを物語る重要なポイントなのです。

●セパレート構成を採用するメリットを教えてください。

尾形:一体型には大きさの制約がありますが、セパレート型であれば単純に言って一体型の2倍程度の容積が使えますし、価格もそれなりの価格設定となります。ですから一体型では使えないような大きさのパーツや、グレードの高いパーツを使うことができるのです。

たとえばMM8077は、極論すれば音楽信号を増幅するだけの機器です。増幅で一番重要なのは電源で、電源は絶対的な馬力に関わってきます。MM8077で使用しているトロイダルトランスは、非常に大きく、重量としても8.2kgもある巨大なパーツです。またカスタムブロックコンデンサーにもMM8077専用に開発された50,000μFもの大容量のコンデンサーを2基使っています。

これらのパーツは一体型のAVアンプではまず採用できないでしょう。


↑8.2kgもの重量があるMM8077のトロイダルトランス


↑MM8077のために作られた大型のカスタムブロックコンデンサー

高山:同じことがプリアンプであるAV8805でも言えます。AV8805は増幅機能を持たないプリアンプでありながら、使っている電源は普通であればプリメインアンプでも十分使用できるぐらいの能力を持った大きいものです。また、プリアンプ回路は、チャンネルごとに独立させた合計15枚の基板で構成されています。

これらはマルチチャンネルにおけるチャンネルセパレーションを確保してクリアなサウンドを実現するためですが、これもコストはもちろんですが、一体型ではスペースの問題で物理的に実現不可能な設計です。


↑マーケティング担当の高山健一

●つまり筐体の大きさやコストの問題で一体型では使用できないパーツ、回路設計、構造などが採用できるということでしょうか。

高山:はい。なぜこれほどまでに電源を重視しているかというと、AVアンプにおいては映画のサウンドトラックで頻繁に使われる爆発音のような、全帯域の瞬発力が求められる場面が多くあります。このような音を正確に再現するためには電源が極めて重要なのです。

また一方では、アンプの感度が高くなるほどデジタル回路に由来するノイズへの対策が重要になりますが、回路に使えるスペースが広いということは、デジタル回路とアナログ回路を物理的に遠ざけることができますので、ノイズ対策、高周波対策もしやすくなります。

さらに扱う信号のレベルが大きく異なるプリアンプとパワーアンプを完全に分離することで、互いの干渉を防ぎ、それぞれの能力を最大化することができます。


↑MM8077


マランツのサウンドフィロソフィー、
「純粋さへの追求」はホームシアターでも変わらない



●前回、マランツのサウンドフィロソフィーについてお聞きしましたが、ホームシアター機器についても同様の考え方で音作りを行われているのでしょうか。

尾形:前回の記事(「サウンドマネージャー尾形が語るマランツ のサウンドフィロソフィー」​)でお話した、マランツのサウンドフィロソフィー「In Pursuit of Purity=純粋さの追求」は、Hi-Fiシステムで聴く音楽だけが対象ではなく、映画でもまったく同じであり、AVアンプでも、その考え方は変わりません。

ただし音楽と映画ではソースの性格が異なります、具体的に言えば映画では静寂から急に大きな爆発音がしたり、戦闘シーンやカーチェイスのように破裂音や重低音が断続的に続いたりすることがありますが、通常の音楽再生では、そのような状況はまず起こりません。

つまり映画のほうが電源部にかかる負荷変動が圧倒的に大きいのです。ですからホームシアターにおける「純粋さの追求」、つまり映画などのコンテンツのサウンドトラックに入っている音をそのまま表現するためにはどうしたらいか、という解がMM8077の巨大なトロイダルトランスであり、それを実現するためのセパレート型の構成なのです。


↑MM8077内部。巨大なトロイダルトランスとカスタムブロックコンデンサーが搭載されている

●AVアンプにおいてもマランツはあくまで「制作者の意図をそのまま表現する」ことを目指しているのですね。

尾形:そのとおりです。たとえば様々なモードを使って自分の好みの音場にシミュレートして楽しむという考え方もありますが、音楽においても、映画においても、マランツとしてはあくまで、制作者の意図をできるだけ正確に、そのまま再現することを追求しています。


高山:そして、近年の映像コンテンツのクオリティは、以前とは比べられないほど高くなってきています。ブルーレイディスク登場以前のサラウンド音声はロッシー、つまり音質劣化を伴う不可逆圧縮を用いたものでしたが、今ではロスレス化、そしてハイレゾ化されました。さらにDolby AtmosやDTS:X、Auro-3Dのようなイマーシブオーディオでも登場しました。IMAX Enhancedなどの新しい規格も出てきています。

加えてホームシアター用のスピーカーの能力も以前に比べて格段に進化しています。このような環境下で制作されるサウンドトラックのクオリティの向上には驚くべきものがあり、ソースを忠実に再生することこそがコンテンツの魅力を最大限に引き出す方法だと考えています。

 

高山:ある企画で10年前のサラウンドシステムと最新のAV8805+MM8077で聴き比べをしましたが、大きな進化を感じました。ご自宅でホームシアターを楽しまれている方も、チャンスがあればぜひAV8805+MM8077のホームシアターシステムを一度ご試聴いただきたいと思います。


サウンドマネージャー尾形とマーケティング担当高山のインタビューはいかがだったでしょうか。新たなマランツのAVアンプのフラッグシップであるAV8805+MM8077のシステムが目指したサウンドは、やはりマランツのサウンドフィロソフィーそのものでした。マランツのDNAは最新のAVアンプにも脈々と息づいています。

2018年12月3日

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