ハイクオリティリビングオーディオ、SR6015登場


マランツのAVレシーバーのラインアップにニューモデル「SR6015」が登場しました。このモデルの製品コンセプトや製品特長について、マーケティング担当の高山健一に聞きました。またマランツ試聴室で行ったSR6015の試聴の様子もお届けします。


ディーアンドエムホールディングス 国内営業本部 マーケティング担当 高山健一


AVサラウンドレシーバー SR6015


SR6015のコンセプトは「ハイクオリティリビングオーディオ」


●高山さん、前回はAVアンプのベストセラー「NRシリーズ」の最新モデル「NR1711」についてお話しいただきましたが、今回はAVアンプのニューモデルSR6015について聞かせてください。SR6015はラインアップ上、今までにはないポジションの製品なのでしょうか。

高山:おっしゃるとおりSR6015はマランツAVアンプの中で新しい価格帯の製品です。前回お話ししたようにマランツには、スリムデザインと高音質を両立したNRシリーズがあり、NR1711がその最新モデルです。SR6015はその上位に位置する製品です。

スリムデザインAVレシーバー NR1711


高山:そしてNRシリーズには同じくスリムな筐体のHi-FiプリメインアンプであるNR1200があります。こちらは2chのアンプながらHDMIセレクターを搭載するなどの機能性で高い評価を得ていますが、SR6015はその上位モデルでもある、という位置づけです。SR6015は、この2つのポジションを兼ね備えつつ、さらなる高音質を実現したものです。

ネットワークオーディオレシーバー NR1200


●ステレオ再生ではNR1200を超え、AVアンプとしてはNR1711を超えている、ということでしょうか。

高山:はい、その通りです。 SR6015は、NR1200やNR1711のアイデンティティであるスリムサイズとコストの制約をある程度外すことで、さらなる音質重視設計を可能にしました。

●発表会資料を見るとSR6015は「ハイクオリティ・リビングオーディオ」というカテゴリーになっています。これはどういうことでしょうか。

↑SR6015発表会資料より


この図の左側の「Pure Music Lover」とはTVなどにオーディオ機器を接続せずに、純粋に音楽のみを楽しむ、いわゆるHi-Fiオーディオファンを想定しています。
一方でNR1711、NR1200のユーザーは「オーディオ&ビジュアル」を楽しむ方々で、CDもレコードも楽しむけれど、Blu-rayで映画も楽しみたい、YouTubeで動画も見たい、そしてAmazon Music HDやSpotifyなどでミュージックストリーミングも、興味があればカテゴリーとらわれずなんでも楽しみたいという方々です。NR1711はマルチチャンネル、NR1200は2チャンネルとスピーカーの数は違いますが、いずれもオーディオもビジュアルも両方楽しむライフスタイルという意味ではかわりはなく、いわゆる「ハイクオリティ・リビングオーディオ」というべき存在です。そして今回登場したSR6015は、NR1200とNR1711の、さらに”もうひとつ上”のクオリティを実現したモデルです。

↑SR6015発表会資料より


●SR6015の特長としては、どんな点が挙げられますか。

高山:SR6015はAVアンプですが、今お話ししたように映画を見るときだけ活躍するのではなく、テレビを見るとき、ステレオで音楽を聴くとき、ストリーミングで音楽を流すときなど、リビングで寛ぐ様々なシーンでお使いいただきたい製品です。そのために我々が注力したのは「AVアンプのステレオ再生クオリティ」です。

●ということは従来のAVアンプのステレオ再生は、音質的に不満が残るものだったのですか。

高山: このSR6015から急に音が良くなった、というわけではなくこの10年ぐらいの間にAVアンプのステレオクオリティは飛躍的に向上しています。ですから近年のAVアンプでステレオ音源を再生しても、そのクオリティは非常に高いのですが、これが10数年前だとやっぱりちょっと差があったといわざるを得なかったんです。そして今でもオーディオ業界、オーディオファンにはその認識が残っているので、その点はぜひ強調しておきたいと思います。 そして、SR6015は、さらにステレオソースの再生能力を高めることに注力しています。


SR6015の磨き上げられたステレオ音源の再生クオリティ



●SR6015の2チャンネル再生はどのようにチューンされたのですか。

高山:もともとマランツはすべてのモデルの音質検討を、2チャンネルをベースに行っています。AVアンプであっても、純粋に2chのピュアな音を作り上げ、それを拡張していくことによって最高のマルチチャンネル再生が実現できるというのが我々のAVアンプにおけるポリシーです。ですからSR6015も同じように2チャンネルからじっくりチューンされています。
ただし、スリムタイプのNR1200にくらべるとSR6015は筐体のサイズが大きく、設計やパーツ選定の自由度もあがります。たとえばSR6015はHi-Fiアンプと同様にマランツの基幹技術であるHDAM®を使っています。SR6015は11.2chプリアウトを備えているAVアンプですから、全部で13ch分のHDAM搭載のプリアンプ回路が実装されています。これは薄型筐体のNR1711ではサイズ的に難しいアプローチです。

↑SR6015発表会資料より


マランツブログ「マランツの基幹技術、電流帰還回路とHDAM®について」はこちらをご覧ください。

高山:同じく9チャンネル分のパワーアンプはディスクリートで実装しており、熱対策のために大型のヒートシンクを積んでいますし、トランスなども大容量のものを使用しています。これらも筐体のサイズに余裕があるからこそ実現できたことです。さらに内部二重シャーシ構造や高密度なインシュレーターなど振動対策も徹底しています。

↑SR6015発表会資料より


高山:またコストに直接関わる部分ですが、音質に関わるパーツで新開発のカスタムパーツも多く採用しています。このようにSR6015は筐体サイズから、回路、パーツ、振動対策までさまざまな点でステレオ音源の再生にフォーカスした音質重視の設計がなされています。

↑SR6015発表会資料より


●SR6015はいわゆるHi-Fiプリメインアンプとはちがい、AVアンプならではの、高い機能性も持っていますよね。

高山:そこが「リビングオーディオ、もしくはリビングのコントロールセンター」と呼んでいる理由です。8K対応のHDMIセレクターを積んでいますので最新の8Kテレビと接続してテレビの音声も楽しめますし(8Kは1入力)、ストリーミングサービスやネットワークオーディオに関してはHEOSを積んでいますので、Spotify、Amazon Music HDなどをスマホのアプリで手軽に再生できます。Bluetoothもスマホやタブレットの音源をワイヤレス再生できるだけでなく、Bluetooth送信機能があるのでBluetoothヘッドホンでの再生も行えます。


8K、Dolby Atmos、DTS:X、IMAX Enhanced、MPEG-4 AACなど新世代の3Dオーディオに対応した最先端のAVアンプとしてのSR6015


●一方でサラウンドレシーバーとしてはどんな特長があるのでしょうか。

高山:SR6015はイマーシブオーディオ、あるいは3Dオーディオといわれている数々の最新フォーマット、たとえば「Dolby Atmos」「DTS:X」「IMAX ENHANCED」などにも対応しています。内蔵の9chパワーアンプに2chの外部パワーアンプを拡張することで、最大11.1チャンネルを同時に再生できますので、7.1.4までのサラウンドフォーマットに対応します。


高山:また実際に天井にスピーカーを設置しなくても3Dサウンドが手軽に体験できるバーチャルサラウンドテクノロジー、「Dolby Atmos Height Virtualizer」、「DTS Virtual:X」にも対応しています。

↑SR6015発表会資料より


高山:またサラウンドフォーマットで注目を集めているのが、MPEG-4 AACという音声フォーマットです。これはNHKなどですでに始まっている4K/8Kの衛星放送で使用されている新しい音声フォーマットです。規格としては最大22.2chまで存在しますが、SR6015はステレオ、5.1chをサポートしています。これまで紅白歌合戦やウイーンフィル・ニューイヤーコンサートなども MPEG-4 AACを通してマルチチャンネル音声で放送されていますので、とても魅力的な新機能ではないかと思います。


マランツ試聴室でSR6015のサウンドを試聴!


●ここからはマランツ試聴室に移動して、SR6015の音を試聴します。サウンドマネージャー尾形さん、よろしくお願いします。

マランツサウンドマネージャー尾形


尾形:よろしくお願いします。ではまずは2チャンネルの音源から聴きましょう。プレーヤーにはSACD 30nを使います。まずは女性ボーカルから。
マレン・モーテンセンの「Another Day」という曲です。


Desperado (SACD Hybrid)


●イントロでウッドベースからはじまりドラムとピアノが入って、そしてボーカルが入ってくるわけですが、それぞれの奏者の定位が非常にしっかりしていると思いました。それとボーカルの艶と張り、それから間奏のソロがベースでしたが、そのベースのサウンドの低音弦の質感も力強く感じました。

尾形: NR1200にくらべるとSR6015は電源が大型ですし出力の余裕もあるので、そういうたっぷりした部分はよく感じられると思います。では引き続き、オーケストラ作品を聴いてください。ベルリオーズの「幻想交響曲」です。


ベルリオーズ : 幻想交響曲 Op.14 | 序曲「宗教裁判官」Op.3 (Berlioz : Symphonie fantastique / Les Siecls | Francois-Xavier Roth) [SACDシングルレイヤー] [国内プレス] [限定盤] [日本語帯・解説付]


●この曲にはティンパニーなどの低音もあれば、バイオリンの高い音もあり、音量差も非常に大きいし、曲にスピード感があるのでオーディオ機器の再生能力が試される音源ですね。SR6015は余裕を持って鳴らしているように思いました。



尾形:そうですね。SR6015はこの音源によく追従していると思います。ただ、つなげるスピーカーにもよると思うんですよ。NR1200は中高音が非常に綺麗ですし、普通にご家庭で使うようなサイズのスピーカーであれば十分よく鳴らしてくれます。ただやや口径な大きなスピーカーになると、若干パワーの面で余裕がないというか「頑張っている感」が出てしまうかもしれません。そこはお持ちのスピーカーシステムとの兼ね合いかなと思います。では次は映像を見ながらマルチチャンネル再生をしてみましょう。

●視聴するマルチチャンネルの設定はどうなっているのでしょうか。

尾形:本日は5.1.4の設定でDolby Atmosの音源を聴いていただきたいと思います。最初はDolby Atmosのトレイラーを聴いてから、映画を2タイトル「ブレードランナー」「グレイテスト・ショーマン」を、ポイントだけですがご覧ください。


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●「ブレードランナー」は、巨大な建造物に近づくシーンと、その中でのアンドロイドかどうかを調べる面接シーンでしたが、重厚な建造物に近づいていくときの地響きのような低音の重さが凄いですね。それと室内での空気感、とくに緊迫度を高めていく時の空間表現のヒリヒリした感じが素晴らしいと思いました。

尾形:低音感、サウンドの重厚さが出せている理由の1つはスピーカーの性能にもあると思いますが、試聴室の大きなB&Wのスピーカーをタップリと鳴らす力は電源などに余裕があるSR6015ならではでしょう。空間表現には繊細な表現が要求されますが、これは音楽の表現に近い再生能力が要求されるシーンでSR6015が得意とする部分と言っていいでしょう。


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●「グレイテストショーマン」は劇場でオーケストラをバックにした「Never Enough」の歌唱シーンでしたが、歌声の艶、オーケストラの演奏の壮大さ、劇場の空間感、いずれも素晴らしいと感じました。特に歌い終わりの瞬間の静寂と、その後の喝采がフェードインする表現は鳥肌ものでした!

尾形:マランツのAVアンプは音楽系のコンテンツでの評価が特に高く、評論家の方からもよくお褒めいただくところです。一般にAVアンプは映画の効果音、たとえば爆発音などを映画館の迫力そのままに再生することに主眼に置かれていますが、マランツのAVアンプは、そうした音源だけでなく、Hi-Fiアンプで培った延長線上で開発を行っていますので、やはり音楽系の音源の再生には特に長けています。SR6015も、このような音楽系の映画やライブコンサートを収録したコンテンツでは特に性能を発揮できると思います。

●リビングで音楽も聴いて、映画も楽しみたい、という方にはSR6015はベストマッチですね。試聴させていただきありがとうございました。



「ハイクオリティリビングオーディオ」というニューカテゴリーのSR6015でしたが、8K対応の最新AVアンプとしても、マランツならではの音楽再生能力を持った2チャンネルアンプとしても非常に高いポテンシャルを持っていることが良くわかりました。音楽も、映画も楽しみたい芸術の秋にふさわしいタイミングで登場したSR6015、その実力をぜひ店頭でお確かめください。


2020年10月20日